正答2
解説
正解は2です。
耳小骨筋反射(アブミ骨筋反射)や聴性誘発反応など、聴覚の他覚的検査の性質を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 反対側刺激で耳小骨筋反射が検出されるのは交叉聴取によるものではありません。
反射の神経経路が上オリーブ核を介して両側の顔面神経核に連絡しているためです。
2:○ 耳小骨筋反射は刺激側の聴力を反映します。
刺激音が刺激側の内耳と聴神経に届かなければ反射は起こらないため、刺激側の聴力の情報が得られます。
3:× 聴性脳幹反応(ABR)は音刺激後1ms以内ではなく、約10ms以内に現れる誘発電位です。
I波からV波までが10ms以内に記録されます。
4:× 前庭誘発筋電位(VEMP)は外有毛細胞ではなく、球形嚢と下前庭神経の機能検査です。
外有毛細胞の機能を調べるのは耳音響放射です。
5:× 方向感検査は一側性難聴の診断ではなく、後迷路性・中枢性の聴覚障害の評価に用いられます。
一側性難聴の有無は純音聴力検査で診断します。
【ポイント】
アブミ骨筋反射は刺激側の内耳・聴神経と、記録側の顔面神経・中耳の両方が正常なときに検出されます。
外有毛細胞の機能は耳音響放射、球形嚢の機能はVEMPと区別します。
【用語】
耳小骨筋反射:大きな音が入ると中耳のアブミ骨筋が収縮して鼓膜の動きを抑える反射で、アブミ骨筋反射ともいう。
聴性脳幹反応:音刺激に対して脳幹の聴覚路から出る電位を頭皮上で記録する検査で、ABRともいう。
前庭誘発筋電位:大きな音などの刺激で誘発される筋電位を記録し、耳石器や前庭神経の機能をみる検査で、VEMPともいう。
方向感検査:両耳に与える音の時間差や強さの差を変え、音像の位置の知覚を調べる検査である。
交叉聴取:検査耳に与えた音が頭蓋を伝わり、反対側の耳で聞こえてしまうことである。