正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5です。
神経筋疾患と、その特徴的な検査所見・症状の組み合わせを問う問題です。
筋そのものの疾患か、神経筋接合部の疾患かを区別することがポイントです。
【選択肢別解説】
1:× 重症筋無力症ではCK(クレアチンキナーゼ)は通常上昇しません。
神経筋接合部の疾患で、筋線維の壊死がないためです。
2:× 多発性筋炎ではテンシロンテストは陽性になりません。
テンシロンテスト陽性は重症筋無力症の所見で、多発性筋炎ではCK高値がみられます。
3:× デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは抗アセチルコリン受容体抗体は陽性になりません。
この抗体は重症筋無力症の所見で、デュシェンヌ型ではCKが著明に上昇します。
4:○ 筋無力症様症候群(ランバート・イートン症候群)では易疲労性がみられます。
神経終末からのアセチルコリン放出が障害され、近位筋の筋力低下と疲れやすさが生じます。
5:○ ミトコンドリア脳筋症では難聴がみられます。
エネルギー需要の大きい内耳が障害され、感音難聴を伴うことが多いです。
【ポイント】
CK高値は筋の壊死を伴う筋疾患(筋ジストロフィー・多発性筋炎)の所見です。
テンシロンテスト陽性と抗アセチルコリン受容体抗体は重症筋無力症の所見です。
【用語】
重症筋無力症:神経と筋の接合部に障害が起こり、筋の疲れやすさ(易疲労性)が目立つ自己免疫疾患である。
テンシロンテスト:抗コリンエステラーゼ薬を注射し、筋力が一時的に改善するかをみる重症筋無力症の検査である。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー:筋線維が壊れて進行性に筋力が低下する、主に男児に発症する遺伝性の筋疾患である。
ミトコンドリア脳筋症:細胞のエネルギーをつくるミトコンドリアの異常で、脳や筋に障害が出る疾患群である。
CK:クレアチンキナーゼの略で、筋の細胞に多く含まれる酵素であり、筋が壊れると血液中で高値になる。
筋無力症様症候群:神経終末からのアセチルコリン放出が障害されて筋力低下を生じる病態で、ランバート・イートン症候群ともいう。