正答1
解説
正解は1です。
音声生成の音響理論(ソース・フィルタ理論)では、音声を音源(ソース)、声道の伝達特性(フィルタ)、口唇からの放射特性の3つに分けて考えます。
【選択肢別解説】
1:○ 声道は、音源に含まれる周波数成分のうち特定の周波数を強め、他を弱めるフィルタとして働きます。
この伝達特性の違いが音色の違いを生みます。
2:× 母音の違いを決めるのは、放射特性ではなく声道の伝達特性(ホルマントの配置)です。
放射特性は母音によらずほぼ一定で、約+6 dB/octの傾きを与えます。
3:× ホルマントは声道伝達特性の山(共鳴のピーク)です。
谷にあたるのはアンチホルマント(反共鳴)です。
4:× 周期的な声門体積流の波形は時間軸上で対称ではありません。
声門が開くときはゆるやかに増え、閉じるときに急に減るため、頂点が後ろにずれた非対称な形になります。
5:× ソース・フィルタモデルのソースとは、単なる気流ではありません。
声帯の振動によって呼気流が周期的に断続されて生じる音源(喉頭原音)を指します。
【ポイント】
第1ホルマントは舌の高さ(口の開き)、第2ホルマントは舌の前後位置と関係します。
音源と声道を独立に扱えるため、声の高さを変えても同じ母音として聞こえることを説明できます。
【用語】
ソース・フィルタモデル:音源と声道の共鳴特性に分けて音声の生成を説明するモデルである。
ホルマント:声道の共鳴によって強められる周波数帯域で、母音の特徴を決める。
声道伝達特性:声道が音の各周波数成分をどれだけ強めたり弱めたりするかを表す特性である。
放射特性:口から外へ音が放射されるときに生じる周波数特性の変化である。
声門体積流波形:声門を通過する空気の体積の時間的変化を表した波形である。