ボイラーの腐食に関する次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
「水中に溶存酸素が存在する場合、ボイラー水中の鉄は、電子を放出し、鉄イオンとなって水中に溶出する。放出された電子は、水と反応して A を生成する。鉄イオンと A は反応して B を生成し、更に溶存酸素と反応し腐食が進行する。一方、 B は分解してマグネタイトとなり、保護皮膜を生成する。この保護皮膜の溶解度は温度によるが、pH9~12の範囲で C となる。」
A B C
正答1
解説
正解は1です。
溶存酸素による鉄の腐食は、鉄が電子を放出して溶け出す反応と、その電子を受け取る反応が同時に進む電気化学的な反応です。
【空欄別解説】
A:水酸化物イオンです。
鉄から放出された電子は、水と溶存酸素と反応して水酸化物イオン(OH⁻)を生成します。
B:水酸化第一鉄です。
溶け出した鉄イオン(Fe²⁺)は水酸化物イオンと反応して、水酸化第一鉄(Fe(OH)₂)になります。
水酸化第一鉄は溶存酸素でさらに酸化され、腐食が進みます。
一方で、水酸化第一鉄は分解してマグネタイト(Fe₃O₄)となり、保護皮膜をつくります。
C:最低です。
マグネタイト皮膜の溶解度は温度によって異なりますが、pH9〜12の範囲で最低になります。
このため、ボイラー水はアルカリ性に保って保護皮膜を維持します。
【選択肢別解説】
1:○ A=水酸化物イオン、B=水酸化第一鉄、C=最低で、すべて正しい組合せです。
2:× Bの水酸化第二鉄は、水酸化第一鉄がさらに酸化されてできる物質で、分解してマグネタイトになる物質ではありません。
Cの「最高」も誤りです。
3:× Aの水素イオンが誤りです。
電子は水と溶存酸素と反応して、水素イオンではなく水酸化物イオンを生成します。
4:× Aの水素イオン、Bの水酸化第二鉄、Cの最高がいずれも誤りです。
5:× Aの水素イオンが誤りです。
また、Bには分解してマグネタイトになる物質が入るので、マグネタイトそのものを入れるのは誤りです。
【ポイント】
ボイラー水を適度なアルカリ性に保つのは、マグネタイト皮膜の溶解を抑えて腐食を防ぐためです。
「鉄イオン+水酸化物イオンで水酸化第一鉄、それが分解してマグネタイト」の流れで覚えましょう。