下図は、インスリンの構造を模式的に示している。
図中の○はアミノ酸残基を示し、特徴のあるアミノ酸残基を3文字表記している。
(図参照:A鎖1-21、B鎖1-30、A鎖7-B鎖7間及びA鎖6-A鎖11間、A鎖20-B鎖19間にジスルフィド結合を有するインスリンの模式図)
近年、インスリンの化学構造を部分的に改変することで、治療目的に沿った血糖降下作用を発揮するインスリンアナログ製剤(1~5)が開発されている。
このうち、構造改変によりインスリンの等電点(pI 約5.4)を中性付近(pI 約6.7)に近づけることにより、生理的pHで等電点沈殿を起こし、皮下で徐々に溶解、吸収され、1日1回の皮下投与で安定した血糖降下作用を示すのはどれか。
1つ選べ。
なお、各アナログ製剤の構造はインスリンと同様な方法で図示しており、図中の◎(灰色丸)はインスリンと異なるアミノ酸残基を示す。
(各選択肢の図は下図参照)
正答2
解説
正解は2。
選択肢2の構造改変は等電点をpI約5.4から約6.7に近づけたインスリングラルギン(A21のAsn→Gly、B鎖C末端にArg-Argを付加)であり、これにより生理的pH付近で等電点沈殿を起こして皮下でゆっくり溶解・吸収され、1日1回投与で持効的な血糖降下作用を示す。
1はB28-B29逆転(リスプロ)、3はB3-Lys/B29-Glu(グルリジン)、5はB28-Asp(アスパルト)でいずれも超速効型、4はB30を欠きB29のLysにγ-グルタミン酸を介してヘキサデカン二酸を結合したインスリンデグルデクで、皮下でマルチヘキサマーを形成し、さらにアルブミンに結合することで持効化する別の機序である。