問337 院内の安全対策研修会で、下記の事例をもとに医療事故の対応を多職種で議論した。
事例
60歳女性。
関節リウマチの診断で今回より初めて1日あたりメトトレキサートカプセル2 mg 3カプセルが4週間分処方された。
本来、週1回服用のところ、連日服用で、服用開始5日目に倦怠感、食欲不振、歯肉出血を認めた。
翌日には喀血により救急搬送され、当院に緊急入院となった。
当日の検査の結果、口腔粘膜障害、胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制が認められた。
議論の中で、この患者への処置について薬剤師が意見を求められた。
この患者に対して効果的な対処はどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5。
連日服用(本来週1回のところ4週間分を毎日服用)により生じた重篤なメトトレキサート中毒(骨髄抑制・粘膜障害・肝障害)に対しては、葉酸代謝拮抗作用に拮抗するホリナートカルシウム(ロイコボリン)の速やかな投与がレスキュー療法として必須である。
メトトレキサートは弱酸性薬物であり、炭酸水素ナトリウムによる尿のアルカリ化は腎からの排泄を促進し中毒からの回復を助ける。
ビタミンK製剤はワルファリン中毒の解毒薬、薬用炭は経口摂取直後の消化管内薬物吸着に用いるが本症例では連日服用後で有効性は乏しく、アスピリンは血小板機能を抑制し出血傾向を助長するため、既に歯肉出血・喀血がある本症例には禁忌である。