55歳男性。
2型糖尿病。
内服薬による血糖のコントロールが不良のため、インスリン導入の目的で教育入院を行い、超速効型インスリンの投与が開始された。
しかし退院後、仕事が多忙のため自己注射が不規則になった。
現状の改善が図れないことから、かかりつけ薬剤師が処方医にトレーシングレポートを書き、使用製剤の見直しについて処方提案を行った。
その結果、次回来局時には以下のように変更された処方箋を持参した。
ライゾデグ配合注フレックスタッチ(注)
1回12単位 1日1回 朝食直前
(注)インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・インスリン アスパルト(遺伝子組換え)溶解インスリンアナログ注射液
図は、皮下投与後のインスリンアナログの動態を示している。
インスリンアナログの動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:皮下投与後、インスリン デグルデク及びインスリン アスパルトが皮下組織中でマルチヘキサマー~ヘキサマー~モノマーへと徐々に解離しながら毛細血管壁を通って循環血中に移行し、循環血中でアルブミンと共存する様子を示す模式図)
正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4。
図が示すように、インスリン アスパルトは速効性を得るため皮下組織中でヘキサマーから速やかにモノマーへ解離して毛細血管壁を通過する。
一方インスリン デグルデクは製剤中では可溶性のダイヘキサマーとして存在するが、皮下投与後にフェノールが拡散することで会合が進みマルチヘキサマーの鎖状構造を形成し、そこから徐々にモノマーへと解離しながら吸収されるため作用が持続する。
この過程で遊離したデグルデクのモノマーは循環血中でアルブミンと可逆的に結合しさらに作用時間を延長するが、アスパルトはアルブミンとは結合せず、製剤中の両成分がアルブミンと結合しているわけでもない。