図は、pH7.4、37℃の緩衝液中におけるある弱酸性薬物の加水分解に対するシクロデキストリン添加の影響を示したものである。
本実験条件において、この薬物とシクロデキストリンはモル比1:1で複合体を形成する。
(図:横軸[CD]t^-1((mol/L)^-1、0〜300)、縦軸1/(kf-kobs)(h、-700〜-300)の直線プロット。傾き=-1.4((mol/L)・h)、y切片=-266 h。実測値(●)が4点、直線上に右下がりで並んでいる。)ここで、kfは薬物自体の分解速度定数(2.26×10^-3 h^-1)、kobs(h^-1)は見かけの薬物分解速度定数(h^-1)、K1:1は複合体の安定度定数((mol/L)^-1)、kcは複合体中の薬物分解速度定数(h^-1)、[CD]tはシクロデキストリンの総濃度(mol/L)としたとき、次のような関係式が成立する。
1/(kf-kobs) = 1/(K1:1(kf-kc))・1/[CD]t + 1/(kf-kc)。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3。
関係式1/(kf-kobs)=1/(K1:1(kf-kc))・1/[CD]t+1/(kf-kc)より、図の傾き-1.4と切片-266から、切片=1/(kf-kc)=-266よりkf-kc=-1/266≒-3.76×10^-3、kc=kf+3.76×10^-3=2.26×10^-3+3.76×10^-3≒6.0×10^-3 h-1(選択肢2の6.02×10^-1は桁が誤り)。
傾き=1/(K1:1×(kf-kc))=-1.4より、K1:1=1/(-1.4×(-3.76×10^-3))≒190 (mol/L)-1となる。
kc(約6.0×10^-3)はkf(2.26×10^-3)より大きく複合体中で薬物の加水分解が速くなるため、CD濃度上昇とともに見かけの分解速度定数kobsは増大し、CDはこの薬物を安定化ではなくむしろ不安定化させる。