図は、単量体で作用する酵素のヒト遺伝子構造を示したものである。
5つのエキソンを順に数字で表し、矢印A、Bは、頻度が高い2種類の遺伝子多型A、Bのそれぞれの位置を示す。
多型Aはプロモーター領域に、多型Bは翻訳領域に存在する。
この遺伝子は常染色体上に存在し、多型Aのヘテロ接合体では、野生型ホモ接合体と比べて、この酵素の活性がほぼ半分になる。
多型Bのヘテロ接合体では、酵素活性が野生型ホモ接合体の約3/4になる。
(図:5'末端から3'末端に向かう遺伝子構造の模式図。5'側から順に、プロモーター領域(矢印Aの位置)、続いてエキソン1(矢印Bの位置がエキソン1内にある)、エキソン2、エキソン3、エキソン4、エキソン5が並び、3'末端に至る。エキソン間はイントロンで連結されている。)
この多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3。
多型Aはプロモーター領域に存在し転写量に影響することでmRNA量を変化させ、ヘテロ接合体で酵素活性がほぼ半分になると考えられる(1)。
多型Aヘテロ接合体(片方の染色体にAをもつ)と多型Bヘテロ接合体(片方の染色体にBをもつ)の夫婦からは、それぞれAをもつ配偶子とBをもつ配偶子が受け継がれることで、AとBを共にもつ(異なる染色体上に)子が生まれうる(3)。
多型Bは翻訳領域にありヘテロ接合体で酵素活性が約3/4に低下することから、アミノ酸配列を変化させるミスセンス変異と考えられ、活性に影響しないサイレント変異とする2、アミノ酸配列は野生型と同一とする4は誤り。
図より多型Bはエキソン1内に位置するため、第2エキソンを標的にしたRT-PCRでは判定できず5も誤り。