問298-299 成人男性のHIV感染症患者が、発熱や乾性咳嗽の症状を訴え外来受診した。
身体所見として、頭痛、嘔吐などの中枢神経症状はなかった。
胸部X線検査で、両側びまん性のすりガラス陰影が認められた。
この患者のCD4陽性リンパ球数は、120/μLであった。
なお下図は、感染時からの経過時間とCD4陽性リンパ球数との関係に、CD4陽性リンパ球数の減少に伴って発症する日和見感染症を示したものである。
問298(病態・薬物治療)
この患者の症状を引き起こした病原体として考えられるのはどれか。
1つ選べ。
正答5
解説
正解は5。
CD4陽性リンパ球数120/μLと200/μL未満まで低下しており、両側びまん性のすりガラス陰影、乾性咳嗽、発熱という経過はニューモシスチス肺炎(PCP)に典型的である。
カンジダは口腔・食道の粘膜カンジダ症を起こす日和見感染症であり、両側びまん性のすりガラス陰影を呈する肺炎の起因病原体としては考えにくい。
クリプトコッカス髄膜炎、トキソプラズマ脳炎、サイトメガロウイルス網膜炎はいずれもCD4陽性リンパ球数が100/μLを下回ってから問題となることが多く、本例のCD4陽性リンパ球数120/μLという段階や、頭痛・嘔吐などの中枢神経症状を欠き肺の所見が前面に出ているという経過には合致しにくい。