52歳男性。
食道がんの手術後に完全静脈栄養による治療を受けていた。
ビタミンB1不足による乳酸アシドーシスの疑いでチアミン塩化物塩酸塩を急速静注したが、効果が不十分であったため7%炭酸水素ナトリウム注射液40 mLを輸液500 mLに混合して点滴投与する予定である。
表は、各輸液の成分濃度を示している。
炭酸水素ナトリウム注射液との混合で、配合変化が生じる可能性が最も高い輸液剤はどれか。
1つ選べ。
ただし、電解質の濃度はmEq/L、ブドウ糖の濃度はw/v%である。
(表:Na^+|K^+|Ca^2+|Mg^2+|Cl^-|リン酸|ブドウ糖)
選択肢1:147|4.0|4.5|0.0|155.5|0.0|0.0
選択肢2:90|0.0|0.0|0.0|70|0.0|2.6
選択肢3:35|20|0.0|3.0|38|0.0|10
選択肢4:35|20|0.0|0.0|35|0.0|4.3
選択肢5:40|35|0.0|0.0|40|15|5.0
正答1
解説
正解は1。
ビタミンB1不足による乳酸アシドーシスが疑われチアミン投与後に炭酸水素ナトリウム注射液を輸液に混合予定の52歳男性の症例。
選択肢1の輸液は5つの中で唯一Ca^2+を4.5 mEq/L含み、陽イオンの当量をすべてCl^-が担うリンゲル液様の組成であり、炭酸水素ナトリウムと混合するとカルシウムイオンと炭酸(重炭酸)イオンが反応して難溶性の炭酸カルシウムの白色沈殿を生じる典型的な配合変化を起こす。
他の選択肢の輸液はいずれもCa^2+を含まず、炭酸水素ナトリウムとの間でこのような沈殿を生じる可能性は低い。