6種類の有機化合物を水に溶解し、生物化学的酸素要求量(BOD)(注1)及び2種類の測定法による化学的酸素要求量(COD)を求めた。
下表は、このBODとCODを、理論的酸素要求量(注2)に対する割合(%)として示したものである。
この表から考えられる記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
化合物名|理論的酸素要求量(g O/g)|BOD(%)|COD二クロム酸法(%)|COD酸性高温過マンガン酸法(%)/酢酸|1.07|82|95|7/プロピオン酸|1.51|24|97|8/グルコース|1.07|59|98|57/ラクトース|1.12|47|99|70/グリシン|0.64|15|100|3/L-グルタミン酸|0.98|52|100|6
(注1)BODは、試料に植種水を加え、20℃、5日間に消費された溶存酸素量(DO)の値から求めた。
(注2)理論的酸素要求量とは、化合物1 gが酸化されてCO2及びH2Oに分解されるのに必要な酸素消費量(g)を示す。
ただし、窒素化合物中のアミノ基はNH3に分解されるものとして算出した。
正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4。
COD二クロム酸法とCOD酸性高温過マンガン酸法の数値を比較すると、酢酸(95%対7%)、プロピオン酸(97%対8%)、グルコース(98%対57%)など全ての化合物で二クロム酸法の値が一貫して高く、二クロム酸法の方が化合物の種類によらず強い酸化力を示すといえる(選択肢3正)。
理論的酸素要求量(g O/g)にBOD(%)を乗じて実際の酸素消費量を計算すると、酢酸は1.07×0.82≒0.88g O/gとなり、他の5化合物(プロピオン酸0.36、グルコース0.63、ラクトース0.53、グリシン0.10、グルタミン酸0.51)より最も大きい値を示す(選択肢4正)。
BODとCODの関係は化合物ごとに大きく異なり(例えばプロピオン酸はBOD24%に対しCOD二クロム酸法97%)、一律の比例関係は認められないため選択肢1は誤り。
酸性高温過マンガン酸法では糖質(グルコース57%、ラクトース70%)の酸化率がカルボン酸やアミノ酸(酢酸7%、グリシン3%等)より高く、糖質の方がむしろ酸化されやすいため選択肢2は誤り。
グリシンの酸性高温過マンガン酸法によるCOD値は3%と極めて低く実際の酸素消費量を大きく過小評価するため、グリシンを多く含む試料水に対してこの方法が酸素消費量を最もよく反映するとする選択肢5は誤り。