下図の実線はある純物質の化学ポテンシャルと温度の関係を示したグラフである。
次の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:横軸「温度」、縦軸「化学ポテンシャル」。実線は右下がりの折れ線で、T1とT2の2箇所で傾きが変化する(T1で緩やかな傾きから急な傾きへ、T2でさらに急な傾きへ変化)。T1とT2の各屈曲点では、そこで交わる2本の直線がそれぞれ屈曲点の先まで破線で延長されている。横軸のT1、T2、T3の位置からは実線まで破線の縦線が引かれており、T3はT2より高温側にある。T1〜T2間の区間には上向き矢印a・下向き矢印bが付されている。)
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
定圧下での化学ポテンシャルμの温度依存性は(∂μ/∂T)_P=−Sm(モルエントロピー)で与えられ、グラフの傾きはモルエントロピーに対応する(選択肢1正)。
単一成分の二相共存(T2)は相律F=C−P+2=1−2+2=1より自由度1であり、自由度2とする選択肢2は誤り。
図のT3は気液の転移温度T2より高温側にあり、この領域では液相よりも気相の化学ポテンシャルの方が低いために気相が安定である。
物質は化学ポテンシャルのより低い相へ自発的に変化するので、「気相の化学ポテンシャルが液相より高いから自発的に気相に変化する」とする選択肢3は前提も理由づけも逆であり誤り。
不揮発性溶質を溶かすと蒸気圧降下(ラウールの法則)により液相の化学ポテンシャルは低下し、グラフはb方向(下)に移動する(選択肢4正)。