宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
(ア) 宅地建物取引業者が媒介する物件の売買について、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合は、媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない。
(イ) 宅地建物取引業者は、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることができる。
(ウ) 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、借賃の1月分の1.08倍に相当する額以内であるが、権利金の授受がある場合は、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っている記述の数を選ぶもので、各記述の正誤を○・×で示します。
媒介報酬の限度額と、報酬以外に受領できる費用を問う問題です。
【記述別解説】
ア:× 売主が受取額を定め、実際の売却額との差額を業者が受け取る方法でも、報酬の限度額の規制を受けます(宅建業法46条)。
名目にかかわらず、媒介に関して受け取る対価は報酬に当たります。
イ:× 報酬とは別に受け取れる広告料金は、依頼者の依頼によって行う特別な広告の料金に限られます(国土交通省の報酬告示)。
依頼者の依頼によらない通常の広告の料金を、報酬に上乗せして受け取ることはできません。
ウ:× 権利金の額を売買代金とみなして報酬を計算できるのは、居住用建物以外の貸借の場合です。
居住用建物の貸借では、権利金を基準にした計算はできません。
報酬の上限が借賃1か月分の1.08倍(当時の消費税率8%で課税事業者の場合)という部分は正しい記述です。
以上より、誤っている記述はア・イ・ウの三つで、正解は3です。
【ポイント】
現行法では消費税率が10%なので、課税事業者の貸借の媒介報酬の上限は借賃1か月分の1.1倍です。
権利金で報酬を計算できるのは「居住用建物以外」の貸借だけです。