「63歳の女性。主訴は尿もれ。咳をしたり、重い荷物を持ったりすると尿がもれる。腰背部がだるく、足が冷える。舌は淡で歯痕、脈は沈細。」
本症例の病証に対し、難経六十九難による鍼治療で使用するのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
症例の病証を判断し、『難経』六十九難の補瀉の原則に従って経穴を選ぶ問題です。
腰背部のだるさ、足の冷え、沈細の脈、腹圧時の尿もれは、腎の気が不足して固摂できない腎虚証を示します。
六十九難は「虚すればその母を補い、実すればその子を瀉す」と述べています。
五行で腎は水に属し、水を生む母は金です。
したがって、腎経の金穴である復溜と、母経である肺経の金穴である経渠を補います。
【選択肢別解説】
1:× 大都は脾経の滎火穴です。
脾(土)の母である火の穴で、脾虚証を補うときに用います。
2:× 太白は脾経の兪土穴であり原穴です。
肺(金)の母である土の穴で、肺虚証を補うときに用います。
3:○ 経渠は肺経の経金穴です。
腎(水)の母である金の穴を母経の肺経から取るもので、腎虚証を補う経穴として正しいです。
4:× 曲泉は肝経の合水穴です。
肝(木)の母である水の穴で、肝虚証を補うときに用います。
【ポイント】
六十九難による補穴は、肝虚証が曲泉・陰谷、脾虚証が大都・少府です。
肺虚証は太白・太淵、腎虚証は復溜・経渠です。