次の文で示す患者の病証に対して経脈の疏通を目的として治療する場合、最も適切な治療穴はどれか。
「56歳の男性。主訴は右肩関節痛。右手で引き戸を右に開こうとする動作時に激痛が起こる。整形外科では、四辺形間隙症候群と診断された。」
正答1
解説
正解は1です。
四辺形間隙症候群は、小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨で囲まれた間隙で腋窩神経が絞扼される病態です。
痛みは肩関節の後面に生じ、この部位は手の太陽小腸経(肩貞・臑兪)の流注に当たります。
経脈の疏通を目的とするなら、小腸経上の遠隔部の経穴を選びます。
【選択肢別解説】
1:○ 後渓は小腸経の兪木穴で、第5中手指節関節尺側の近位陥凹部にあります。
肩後面を通る小腸経の経穴なので、経脈の疏通に適しています。
2:× 液門は小腸経ではなく手の少陽三焦経の滎水穴です。
三焦経は肩の外側上部を通り、肩後面の四辺形間隙とは流注が合いません。
3:× 二間は小腸経ではなく手の陽明大腸経の滎水穴です。
大腸経は肩の前外側(肩髃)を通り、患部と一致しません。
4:× 魚際は小腸経ではなく手の太陰肺経の滎火穴です。
肺経は肩の前面を通り、患部と一致しません。
【ポイント】
肩の前面は肺経・大腸経、外側上部は三焦経、後面は小腸経と、痛む部位から経脈を割り当てます。
後渓は督脈に通じる八脈交会穴でもあります。