次の文で示す症例について、問題135、問題136の問いに答えよ。
「68歳の男性。主訴は呼吸困難。体を動かすと呼吸が苦しくなる。樽状胸を呈し、痩せている。呼吸機能検査で1秒率の低下および胸部エックス線写真で肺野の透過性亢進を認めた。ブリンクマン指数は960。」
本症例の疾患で最も考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
症例の所見から呼吸器疾患を推定する問題です。
症例には、労作時の呼吸困難、樽状胸、るい痩、1秒率の低下、胸部エックス線での肺野の透過性亢進があります。
ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が960で、長期の重喫煙歴があります。
1秒率の低下は閉塞性換気障害、透過性亢進は肺の過膨張を示します。
【選択肢別解説】
1:× 気管支拡張症は、気管支が不可逆的に拡張する疾患です。
大量の膿性痰や血痰、反復する感染が特徴で、重喫煙による肺の過膨張とは異なります。
2:× 肺癌は喫煙が危険因子ですが、画像では腫瘤影などが主な所見です。
肺野全体の透過性亢進と樽状胸は、肺癌に特徴的な所見ではありません。
3:○ COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に喫煙によって気道と肺胞が障害される疾患です。
閉塞性換気障害により1秒率が低下し、肺胞の破壊で肺が過膨張して透過性が亢進します。
樽状胸、るい痩、労作時呼吸困難もすべて本疾患に合致します。
4:× 間質性肺炎は、肺が硬くなる拘束性換気障害を起こす疾患です。
肺活量が低下し、画像では網状影などで透過性はむしろ低下するため、本症例とは異なります。
【ポイント】
1秒率低下は閉塞性障害(COPD・気管支喘息)、%肺活量低下は拘束性障害(間質性肺炎など)です。
喫煙歴、樽状胸、肺の過膨張の組合せはCOPDの典型と覚えましょう。