35歳の男性。
一人暮らし。
銀行員。
半年前に仕事のミスがあり、徐々に飲酒量が増えた。
酒がなくなると深夜でも買いに出かけた。
2週前より無断欠勤が続いており、上司が自宅を訪問すると泥酔していた。
上司に伴われて精神科を受診し、作業療法が処方された。
健康診断で肝機能障害を指摘されているが、これまでに禁酒の試みはない。
現時点で観察される症状で誤っているのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(現時点で観察されない症状)です。
本例は仕事のミスをきっかけに飲酒量が増え、深夜でも酒を買いに行き、無断欠勤するようになったアルコール依存症の男性です。
受診時も泥酔しており、飲酒を続けている状態です。
依存症の診断基準の項目が、現在の様子にどう当てはまるかを確認します。
【選択肢別解説】
1:× 酒がなくなると深夜でも買いに出かけるのは、飲みたいという強い欲求である渇望の表れです。
現時点で観察される症状です。
2:× 飲酒のために無断欠勤が続き、泥酔するまで飲んでいるのは、飲酒量や飲む場面を制御できない抑制喪失です。
現時点で観察される症状です。
3:○ 離脱症状は、飲酒を中止または減量したときに出る手の震え、発汗、不眠、けいれんなどの症状です。
本例は飲酒を続けており禁酒の試みもないため、現時点では観察されていません。
4:× 半年の間に飲酒量が徐々に増えているのは、同じ効果を得るためにより多くの量が必要になる耐性の増大です。
現時点で観察される症状です。
5:× 肝機能障害を指摘されても飲酒を続けているのは、有害な結果があっても飲酒をやめない状態です。
これが負の強化への抵抗にあたり、現時点で観察される症状です。
【ポイント】
依存症の主な所見は、渇望、抑制喪失、離脱症状、耐性、ほかの楽しみの無視、有害な結果があっても続ける飲酒です。
離脱症状は飲酒をやめたときに初めて現れるため、飲み続けている時点では確認できません。