52歳の男性。
アルコール依存症。
警備会社に勤務。
若いころから飲酒が習慣化していたが、最近、朝から酒を飲むようになった。
同居する両親に対する暴力行為で警察の介入があり、2日後に入院した。
入院後、振戦せん妄が出現し、5日目に消失した。
落ち着きがみられるようになり、作業療法が処方された。
この時期に優先すべき作業療法の目的はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
アルコール依存症で入院し、離脱症状である振戦せん妄が消失した直後の症例です。
長期の飲酒により、栄養状態や体力が低下していることが多い時期です。
回復段階の初期には、心身の状態を整えることが優先されます。
【選択肢別解説】
1:× 家族関係の改善は重要な課題です。
しかし離脱期を終えた直後に優先する目的ではなく、回復が進んでから取り組みます。
2:○ 離脱期を終えた直後は、身体機能の回復と生活の基盤づくりが優先されます。
軽い運動や活動で基礎体力を回復させることが、この時期の目的です。
3:× ストレス対処技能の獲得は、断酒を続けるうえで重要です。
ただし心身が安定してから取り組む課題です。
4:× 他者との協調的な活動は、集団での治療に参加できる段階で行います。
この時期の最優先ではありません。
5:× 職業的技能の修得は、退院に向けた後期の課題です。
入院直後の時期には早すぎます。
【ポイント】
アルコール依存症の作業療法は、身体の回復、生活リズムの確立、断酒の動機づけ、対人関係や対処技能の獲得、社会復帰の順に段階づけます。