16歳の男子。
乳幼児健診で異常を指摘されたことはなかったが、乳幼児期、母親の後追いをせず、履いている靴がボロボロになっても他の靴では嫌だと強いこだわりを見せた。
大人びた話し方をし、小学校では自分の関心事について熱中して一方的に話すために、友達から避けられるようになって孤立していた。
中学校入学後は不登校になり、ゲームに熱中するようになったため、心配した母親が児童思春期専門の医療機関を受診させた。
評価に用いるテストとして適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
後追いがない、強いこだわり、大人びた話し方、一方的に話す、友人関係の困難という経過から、自閉スペクトラム症(ASD)が疑われます。
その特性を評価するのに適した検査を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:○ ASQ(Autism Screening Questionnaire:自閉症スクリーニング質問紙)は、対人関係・コミュニケーション・こだわり行動を養育者に尋ねる質問紙です。
ASDの特性の評価に用いられ、本例に適しています。
2:× HTP(House-Tree-Person test)は家・木・人を描かせる投影法の人格検査です。
ASDの特性を評価する検査ではありません。
3:× WAIS-Ⅲ(ウェクスラー成人知能検査)は16歳以上に使える知能検査です。
知的水準はわかりますが、ASDの対人関係やこだわりの特性は評価できません。
4:× バウムテストは1本の実のなる木を描かせる投影法の人格検査です。
ASDの評価を目的とした検査ではありません。
5:× CAARSは成人の注意欠如・多動症(ADHD)の症状を評価する尺度です。
本例の主な問題は不注意や多動ではなく、対人関係とこだわりです。
【ポイント】
ASDの評価にはASQ(現在のSCQ)、PARS-TR、AQなどが用いられます。
投影法(HTP・バウムテスト)や知能検査は、ASDの特性そのものは評価できません。