65歳の女性。
約1年前から抑うつ気分、意欲低下、判断力低下、不眠、食思不振などがあり、約9か月前に精神科外来を初めて受診した。
希死念慮や貧困妄想も加わり、約8か月前に医療保護入院となっている。
抗うつ剤投与により不眠、食思不振はある程度改善されたが、悲観的な思考内容は遷延化した。
促してかろうじて病棟外への散歩に応じるようになり、数か月が経過したところで、主治医から作業療法の依頼があった。
この時点での作業療法として適切でないのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(適切でない関わり)です。
長引いたうつ病で悲観的な考えが続き、促されてようやく散歩に応じる程度の回復段階です。
この時期は、短時間で達成感が得られ、負担の少ない作業から始めることが基本です。
【選択肢別解説】
1:× 本人の自己決定を見守ることは、主体性を尊重し、少しずつ意欲を引き出す関わりとして適切です。
決めることを急かさずに待つ姿勢が大切です。
2:× 個別のかかわりから始めることは、対人的な負担を減らし、安心できる関係をつくるうえで適切です。
集団への参加は回復に合わせて検討します。
3:× 1回の活動時間を短くすることは、疲れやすい回復期の患者の負担を減らすうえで適切です。
疲労で自信を失うことを防げます。
4:○ 長い期間をかけて完成する課題は、達成感が得られるまでに時間がかかり、途中で挫折感を抱きやすくなります。
正しくは短時間で完成し、結果が目に見える課題を選びます。
5:× なじみのある課題では以前の自分と比べて「前はもっとできた」と落ち込みやすいため、初めての課題を選ぶことは適切とされます。
比べる基準がない課題は、できたことを素直に評価しやすくなります。
【ポイント】
うつ病の回復期の作業療法では、短時間・個別・単純で、完成が早く結果が見える作業から始めます。
励ましすぎや過度な期待は負担になるため、本人のペースを尊重します。