25歳の男性。
頸髄完全損傷。
手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。
書字の際のボールペンを把持した場面を下図に示す。
片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。
このような動作を行う頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
写真では、ボールペンを片手で持てず、左右の手の指の間に挟み込むようにして両手で保持しています。
Zancolliの分類は、頸髄損傷の残存髄節を手関節・手指の筋の働きで細かく分けたもので、手関節背屈の強さが把持動作を左右します。
【選択肢別解説】
1:× C5Aは腕橈骨筋が働かず、手関節背屈もできないレベルです。
この写真の動作は可能なこともありますが、問われているのは同じ動作をとる最も上位のレベルです。
C5Aはそれより下位の機能になります。
2:○ C6Aは手関節背屈ができるものの力が弱く、手関節背屈で指が曲がる腱固定作用(テノデーシス)を十分に使えません。
そのため片手でペンを握れず、両手で挟んで保持する方法になります。
この動作をとる最上位のレベルはC6Aです。
3:× C6B3は強い手関節背屈に加えて、円回内筋・橈側手根屈筋・上腕三頭筋も働くレベルです。
テノデーシスや自助具を使えば片手でペンを保持できるため、両手で保持する必要はありません。
4:× C7Aは尺側の指の伸展が十分にでき、手関節の力も強いレベルです。
片手でペンを保持して書字することが可能です。
5:× C8Bは全指の屈曲ができ、母指屈曲が弱く手内在筋が麻痺しているレベルです。
指で直接ペンを握れるため、両手で保持する必要はありません。
【ポイント】
C6Bで手関節背屈が強くなると、テノデーシスによる片手の把持が実用的になります。
C6AとC6Bの境目は手関節背屈の強さであり、両手動作か片手動作かを見分ける手がかりになります。