28 歳の男性。
統合失調症で6か月前に精神科病院に措置入院歴がある。
その後退院し、自治体による退院後支援計画に基づいて外来でフォローされていたが、2 か月前から抗精神病薬の服薬が不規則になり、幻聴の増悪がみられた。
自傷行為はなく、家族をはじめ周囲の人間に対して手をあげるようなことはないが「薬は飲むな」という幻聴に左右されてこの1週間は全く服薬しておらず、一昨日から一睡もできていない。
両親が「担当医に相談しよう」と勧めてなんとか外来受診をさせたが、精神保健指定医から入院を勧められてもかたくなに拒否を続けている。
この患者の現在の状態において適切な入院形態はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
精神保健福祉法の入院形態は、本人の同意の有無、自傷他害のおそれの程度、家族等の同意の有無で決まります。
本症例は、入院が必要と精神保健指定医が判断していますが、本人は拒否しています。
自傷他害のおそれはなく、両親が受診に付き添っています。
【選択肢別解説】
1:× 任意入院は本人の同意に基づく入院です。
本人がかたくなに拒否しているため、任意入院はできません。
2:× 応急入院は、急速な入院が必要なのに家族等の同意がすぐに得られない場合に、72時間に限って行う入院です。
本症例は両親が同伴しており、同意を得られる状況です。
3:○ 医療保護入院は、精神保健指定医が入院の必要を認め、本人の同意が得られない場合に、家族等の同意で行う入院です。
本症例の状況に合っています。
4:× 緊急措置入院は、自傷他害のおそれが著しく、急を要する場合に行う72時間以内の入院です。
本症例には自傷他害のおそれがありません。
5:× 医療観察法による入院は、殺人や放火などの重大な他害行為を行い、心神喪失などで不起訴や無罪となった人が対象です。
本症例は該当しません。
【ポイント】
本人同意なら任意入院、本人拒否で家族等の同意があれば医療保護入院です。
自傷他害のおそれがあれば措置入院、家族等の同意がすぐ得られなければ応急入院と整理しましょう。