40歳の女性。
長年のアルコール摂取による肝硬変、膵炎および2次性糖尿病の合併症がある。
飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり、夫に連れられて精神科を受診し、入院となった。
離脱症状が治まり、作業療法が開始された。
作業療法士の支援で適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
アルコール依存症で、肝硬変・膵炎・糖尿病の合併症があり、家庭生活にも支障が出ています。
離脱症状が治まったあとの作業療法では、本人が飲酒の問題を認め、断酒を続ける動機を高めることが中心になります。
【選択肢別解説】
1:× SST(社会生活技能訓練)は、対人関係などの技能を練習する方法です。
本例では、まず飲酒の害を理解することが先で、最優先の支援ではありません。
2:× 他者との協調行動を促すことも意味はあります。
しかし本例の課題の中心は飲酒の問題であり、優先される支援ではありません。
3:○ 酒害に関する心理教育では、飲酒が体や家庭、仕事に与える害を学びます。
アルコール依存症では問題を否認しやすいため、病気の理解を深めて断酒の動機づけを行うことが重要です。
4:× 依存症の人は、物質だけでなく人にも依存しやすい傾向があります。
作業療法士への依存を容認すると自立を妨げるため、適切ではありません。
5:× アルコール依存症の人は、作業に過剰に取り組み、無理をしやすい傾向があります。
頑張りを強化するのではなく、無理のない取り組み方を身につけるよう支援します。
【ポイント】
アルコール依存症の治療の柱は、否認への働きかけ、断酒の継続、自助グループ(断酒会・AA)への参加です。
作業療法では、心理教育と生活リズムの立て直しが重要な役割になります。