甲状腺右葉の超音波Bモード像(a)及びパワードプラ像(b)(別冊No. 5)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
別冊No.5の(a)は甲状腺右葉のBモード像、(b)は同じ部位のパワードプラ像です。
(a)では甲状腺実質が全体にやや低エコーで粗く、はっきりした結節(しこり)はみられません。
(b)では甲状腺の内部全体が赤〜黄色の血流シグナルで埋め尽くされています。
このびまん性の著明な血流増加は「甲状腺の火事(thyroid inferno)」と呼ばれ、Basedow病に特徴的です。
【選択肢別解説】
1:○ Basedow病が最も考えられます。
TSH受容体抗体が甲状腺を刺激し続けるため、甲状腺はびまん性に腫大します。
血管も増えて血流が著しく増加し、パワードプラで甲状腺全体が色で満たされます。
2:× 副甲状腺腫大は、甲状腺の背側に接する境界明瞭な低エコーの結節として描出されます。
本図には甲状腺外の結節はなく、甲状腺全体の血流増加とも合いません。
3:× 亜急性甲状腺炎では、痛む部位に一致した境界不明瞭な低エコー域がみられます。
その部位の血流はむしろ乏しく、本図のような全体の血流増加はみられません。
4:× 腺腫様甲状腺腫は、甲状腺内に複数の結節ができる病気です。
本図では結節が確認できず、所見が合いません。
5:× 慢性甲状腺炎〈橋本病〉もびまん性の腫大と粗い低エコーを示します。
しかし通常は血流の増加が目立たず、本図ほどの著明な血流増加はみられません。
【ポイント】
びまん性腫大を示す甲状腺疾患は、血流で区別します。
Basedow病は血流が著明に増加し、橋本病は増加が乏しく、亜急性甲状腺炎は病変部の血流が低下します。