ベッドのシーツに付着していた虫体(体長0.4 mm)の写真(別冊No. 1)を別に示す。
この虫が引き起こすのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
別冊No.1は、体長0.4 mmの微小な虫体の顕微鏡写真です。
胴体は丸い袋状で、体表には短い棘や毛が散在しています。
脚は短く、前方の脚の先端には長い柄の先に吸盤をもつ構造がみられます。
昆虫のような頭部・胸部・腹部の区分や翅はありません。
これらはヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)の特徴です。
【選択肢別解説】
1:○ ヒゼンダニは疥癬を引き起こします。
雌が皮膚の角質層に疥癬トンネルを掘って産卵し、夜間に強いかゆみを生じます。
寝具や衣類を介して感染が広がるため、シーツから虫体が見つかることがあります。
2:× ペストはペスト菌による感染症で、ネズミノミが媒介します。
ノミは体長2〜3 mmの昆虫で、写真の虫体とは形が異なります。
3:× 発疹チフスは発疹チフスリケッチアによる感染症で、コロモジラミが媒介します。
シラミは扁平で細長い昆虫です。
4:× ツツガムシ病はつつが虫病リケッチアによる感染症で、ツツガムシの幼虫が媒介します。
野外で吸着される病気であり、シーツ上の虫体とは結びつきません。
5:× 重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉はSFTSウイルスによる感染症で、マダニが媒介します。
マダニは数mm大で、写真の虫体よりはるかに大きいです。
【ポイント】
疥癬の診断は、皮膚の鱗屑や疥癬トンネルから虫体・虫卵を検出して行います。
角化型(ノルウェー)疥癬は虫体数が非常に多く、施設内集団感染の原因になります。