正答5
解説
正解は5です。
多くの腫瘍マーカーは、正常細胞もわずかに産生する物質が、腫瘍で多く産生されて血中に増えるものです。
そのため腫瘍に特異的とはいえません。
これに対し、腫瘍細胞の遺伝子異常から生じる産物は、腫瘍細胞でしか産生されません。
【選択肢別解説】
1:× 神経特異エノラーゼ(NSE)は、正常な神経細胞や神経内分泌細胞にも含まれる酵素です。
小細胞肺癌や神経芽腫で上昇しますが、腫瘍に特異的ではありません。
2:× ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、正常な妊娠で胎盤から産生されるホルモンです。
絨毛癌などで上昇しますが、腫瘍に特異的ではありません。
3:× SCC抗原は、正常な扁平上皮にも存在する蛋白です。
扁平上皮癌で上昇しますが、皮膚疾患などでも上昇し、腫瘍に特異的ではありません。
4:× CA15-3は、正常な乳腺上皮にも発現するムチン(MUC1)上の抗原です。
乳癌で上昇しますが、腫瘍に特異的ではありません。
5:○ BCR-ABL融合蛋白は、9番と22番染色体の相互転座でできるフィラデルフィア染色体から産生されます。
正常細胞には存在せず、慢性骨髄性白血病などの腫瘍細胞だけが産生します。
【ポイント】
BCR-ABLは常に活性化したチロシンキナーゼとして働き、細胞を増殖させます。
その働きを抑えるイマチニブなどの分子標的薬が、慢性骨髄性白血病の治療に用いられます。