ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し,発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策a,bの選択を行う。
マーケティング施策を実行した場合の利益増加額(売上増加額-費用)の期待値が最大となる施策と,そのときの利益増加額の期待値の組合せはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
デシジョンツリーでは、右端の結果から左へ期待値を計算し、意思決定の分岐点(四角)では期待値が大きい方を選びます。
発生し得る可能性の分岐点(丸)では、各結果に発生確率を掛けて合計します。
【計算】
図の施策aは初期費用30億円で、確率0.4と0.6に分岐します。
確率0.4の先は意思決定の分岐点で、追加費用60億円を払う場合と、払わない場合(売上増加額50億円)に分かれます。
追加費用を払う場合は、確率0.3で200億円、確率0.7で100億円の売上増加です。
その期待値は0.3×200+0.7×100-60=60+70-60=70億円です。
70億円は追加費用なしの50億円より大きいので、追加費用を払う方を選びます。
確率0.6の先は売上増加額120億円です。
施策aの期待値は0.4×70+0.6×120-30=28+72-30=70億円です。
施策bは初期費用40億円で、確率0.3と0.7に分岐します。
確率0.3の先の意思決定の分岐点では、追加費用40億円を払うと、確率0.4で150億円、確率0.6で100億円の売上増加です。
その期待値は0.4×150+0.6×100-40=60+60-40=80億円です。
80億円は追加費用なしの70億円より大きいので、追加費用を払う方を選びます。
確率0.7の先は売上増加額140億円です。
施策bの期待値は0.3×80+0.7×140-40=24+98-40=82億円です。
82億円は施策aの70億円より大きいので、施策bを選びます。
【選択肢別解説】
1:× 施策aの期待値は70億円で正しく計算されています。
しかし施策bの82億円の方が大きいので、期待値が最大となる施策はaではありません。
2:× 施策aの利益増加額の期待値を正しく計算すると70億円であり、160億円にはなりません。
さらに施策bの82億円にも及びません。
3:○ 施策bの利益増加額の期待値は82億円で、施策aの70億円を上回ります。
期待値が最大となるのは施策bの82億円です。
4:× 施策bを選ぶ点は正しいものの、期待値の値が誤りです。
費用を差し引いた施策bの利益増加額の期待値は82億円です。
【ポイント】
デシジョンツリーは、後ろの分岐点から順に期待値を計算して左へ戻る「後ろ向き帰納」で解きます。
意思決定の分岐点では選ばなかった枝の値を捨て、選んだ枝の値だけを前の段階に伝えます。