第106回 看護師国家試験 午後問212
Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。
10年前まで会社を経営していた。
プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。
Parkinson〈パーキンソン〉病で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。
両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。
食事は自分の居室に運んでもらって食べている。
身の回りのことは1人でできる。
1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。
Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。
尿がすっきり出ません」と言う。
泌尿器科を受診したところ、 Parkinson(パーキンソン)病による自律神経障害と診断された。
Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。
正答1
解説
正解は1(残尿がある)。
Parkinson病による自律神経障害では膀胱排尿筋の収縮力低下と排出障害が生じ、排尿開始遅延(尿閉様症状)、尿線細小、腹圧排尿(用手的腹圧で排尿補助)、残尿感、排尿後の漏れ等の排出障害症状が出現する。
Aさんの「排尿開始まで時間がかかる」「下腹部を押して排尿」「すっきり出ない」はまさに排出障害の徴候で、残尿があると判断される。
選択肢1が正解。
選択肢2の膀胱萎縮は神経因性膀胱の長期経過や慢性膀胱炎で起こる蓄尿障害で本症例の所見と一致しない。
3の蓄尿障害は頻尿・尿失禁が中心で、本症例の症状とは逆。
4の骨盤底筋群筋力低下は腹圧性尿失禁の原因で、排出障害の主因ではない。
対応は残尿測定、必要に応じて自己導尿の検討となる。まとめて解く
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