〔事例〕
Aさん(78歳、女性、要介護1)は、軽度の認知症(dementia)があり、通所介護(デイサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。
一人娘が近くに住んでいる。
最近、近所の人から娘に、「決められた日以外にごみを出しているので、そっと片付けているの」と連絡があった。
翌日、娘がAさんの自宅に行くと、部屋の中に弁当の空の容器がそのまま残されていた。
心配した娘が同居を勧めたが、Aさんは、「これからもこの家からデイサービスに通いたい」と強い口調で言った。
話し合いの結果、娘が夕方に様子を見に行くことになった。
Aさんは、通所介護(デイサービス)を休むことなく利用していたが、ある日の迎えのとき、担当の介護福祉職に、「今日は行きたくない」と言って利用を拒否した。
娘が理由を聞くと、「クイズの時間になると利用者のBさんに、あなたの答えはいつも間違えていると何度も注意される。情けない・・・」と話した。
娘はAさんの様子を介護福祉職に伝えた。
次のうち、Aさんのニーズとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
事例の情報から、利用者本人のニーズを読み取る問題です。
ニーズとは、本人が望む生活を実現するために必要なことです。
事例のAさんは、娘から同居を勧められても、「これからもこの家からデイサービスに通いたい」と強い口調で述べています。
【選択肢別解説】
1:× 娘の家での同居は、娘が勧めたものです。
Aさんはこれを断っており、本人のニーズではありません。
2:○ Aさんは「この家からデイサービスに通いたい」と、自宅での生活を続ける強い意思を示しています。
自宅での生活を続けることが、Aさんのニーズです。
3:× Aさんがデイサービスを休みたいと言ったのは、クイズの時間にBさんから注意されることがつらかったためです。
本来は休まずに通っており、休むこと自体がニーズではありません。
4:× 弁当の空の容器が残されていたのは、片付けができていない状況を示す情報です。
弁当のメニューの変更を本人が望んでいるわけではありません。
5:× ごみ出しの問題は、近所の人がそっと片付けている状況です。
近所の人に任せることは本人の望みではなく、自宅生活を続けるための支援の一つとして検討する事柄です。
【ポイント】
ニーズは、本人の言葉や意思から読み取ります。
家族や周囲の意向、表面的な行動だけでニーズを判断しないことが大切です。