〔事例〕
Dさん(70歳、男性)は、19歳のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、入退院を繰り返しながら両親と一緒に生活してきた。
両親が亡くなったことをきっかけとして不安に襲われ、妄想や幻聴の症状が強く現れるようになった。
そのため、兄に付き添われて精神科病院を受診し、医療保護入院となった。
現在は、入院から3年が経過し、陽性症状はほとんどなく、病棟で日中はレクリエーションに参加するなど落ち着いて生活している。
Dさんが3年前に入院した医療保護入院の制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
精神保健福祉法に定められた入院の形態のうち、医療保護入院の要件を問う問題です。
Dさんは妄想や幻聴が強く現れ、「兄に付き添われて」受診し、医療保護入院となりました。
医療保護入院は、本人の同意がなくても、家族等の同意によって入院させる制度です。
【選択肢別解説】
1:× 本人の同意による入院は、任意入院です。
医療保護入院は、本人の同意が得られない場合の入院です。
2:× 精神保健指定医2名以上の診察結果が、自傷他害のおそれがあると一致した場合の入院は、措置入院です。
都道府県知事の命令による入院です。
3:× 指定医1名の診察で自傷他害のおそれがあると判断し、72時間以内に限る入院は、緊急措置入院です。
急を要し、措置入院の手続きをとれない場合に行われます。
4:○ 精神保健指定医1名が診察し、本人の同意が得られず、家族等の同意がある入院が医療保護入院です。
医療と保護のために入院が必要と判断された場合に行われます。
5:× 本人の同意も家族等の同意も得られず、急を要するため72時間以内に限る入院は、応急入院です。
【ポイント】
入院の形態は「任意入院・措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院」の5つです。
「自傷他害のおそれ=措置入院系」「家族等の同意=医療保護入院」と区別して覚えましょう。