20歳の男性。
サッカーで後方に左手を突いて転倒し受傷した。
病院にて骨折と診断された。
受傷時の単純エックス線写真(別冊No.2)を別に示す。
ギプスによる保存的治療を8週間行ったが、半年の時点でも疼痛は残存している。
正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
20歳の男性が手を突いて転倒し、手関節を受傷しています。
別冊の手関節のエックス線写真では、橈骨遠位端の先の母指側にある舟状骨の中央部(腰部)を横切る透亮線がみられます。
これは舟状骨骨折の所見です。
8週間のギプス固定でも半年後に痛みが残っており、骨癒合が得られず偽関節になっていると考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 徒手整復は適切ではありません。
写真では骨片の大きな転位はなく、受傷から半年がたった偽関節は徒手整復では治りません。
2:○ snuff box(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)に圧痛があります。
長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間のくぼみの底に舟状骨があるため、舟状骨骨折ではここを押すと痛みます。
3:× 再度のギプス固定は適切ではありません。
半年たっても癒合しない偽関節では、骨移植とスクリューによる固定などの手術が必要になります。
4:× 舟状骨の血流は近位からではなく、遠位から入ります。
橈骨動脈の枝が遠位部や腰部から入るため、腰部で骨折すると近位骨片の血流が途絶えやすくなります。
【ポイント】
舟状骨骨折は初回のエックス線で見逃されやすく、血流の特徴から偽関節や近位骨片の壊死を起こしやすい骨折です。
手を突いて転倒した後にsnuff boxの圧痛があれば、写真で骨折線が見えなくても舟状骨骨折を疑って固定します。