10歳の女児。
ソフトボールで捕球した際、右手小指が外転強制された。
右第5MP 関節の腫脹と、基節骨基部に限局性の圧痛がみられる。
MP 関節伸展では小指は外転位をとり環指から離れている。
DIP および PIP 関節に異常はなかった。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
10歳の小児がソフトボールの捕球で小指を外転強制され、第5MP関節の腫脹と基節骨基部の限局性圧痛がみられた症例です。
小指が外転位をとって環指から離れたままであることから、基節骨基部の骨端線が離開して遠位側が外側へ傾いた状態と考えられます。
【選択肢別解説】
1:× MP関節捻挫では、圧痛は側副靱帯に沿ってみられ、基節骨基部に限局しません。
小指が外転位のまま固定される変形も通常は起こりません。
2:× 中手骨骨頭骨折では、圧痛は基節骨基部ではなく中手骨頭部にみられます。
本症例の圧痛部位とは合いません。
3:× 中手骨頸部骨折は、拳で物を殴ったときに起こりやすく、ボクサー骨折とも呼ばれます。
中手骨頭が掌側へ屈曲転位してナックルの突出が消える変形が特徴で、本症例の所見とは異なります。
4:○ 小児の基節骨基部には骨端線があり、靱帯よりも力学的に弱いため、外転強制で骨端線が離開します。
基節骨基部に限局した圧痛と、小指が外転位をとって環指から離れる変形は、この損傷に一致します。
【ポイント】
小児の小指基節骨基部の骨端線離開は、外側へ大きく開いた変形から「エクストラオクターブ骨折」とも呼ばれます。
小児では靱帯より骨端線が弱いため、成人なら捻挫になる外力でも骨端線損傷が起こる点を押さえましょう。