正答1
解説
正解は1です。
末梢神経損傷の病態(セドンの分類)と、回復過程でみられる所見を問う問題です。
セドンの分類では、損傷を一過性神経伝導障害(ニューラプラキシア)、軸索断裂、神経断裂の3段階に分けます。
【選択肢別解説】
1:○ チネル徴候は再生軸索の先端部でみられます。
再生中の軸索の先端は髄鞘が未熟で機械的刺激に敏感なため、そこを叩打すると末梢へ放散するしびれが生じます。
陽性部位が経時的に末梢へ移動すれば、神経再生が進んでいると判断できます。
2:× 一過性神経伝導障害では軸索の変性は起こりません。
軸索の連続性が保たれ、局所の伝導が一時的に途絶えるだけなので、数日〜数週で完全に回復します。
3:× ワーラー変性は損傷部より末梢側(遠位側)に起こります。
細胞体から切り離された遠位の軸索と髄鞘が変性・貪食されるのがワーラー変性です。
中枢側の変性はごく短い範囲にとどまります。
4:× 自律神経障害の急性期には皮膚温は低下ではなく上昇します。
交感神経の血管収縮作用が失われて血管が拡張するため、急性期の皮膚は温かく乾燥します。
慢性期になると皮膚温が低下し、冷たく蒼白・チアノーゼ様になります。
【ポイント】
ワーラー変性は「末梢側」、チネル徴候は「再生の先端」と位置で整理します。
自律神経障害の皮膚温は「急性期は温かく、慢性期は冷たい」と覚えます。