25歳の男性。
草野球の試合中にボールが右示指の指尖に当たり、PIP関節が過伸展強制され受傷した。
PIP関節部の自発痛と腫脹が著明である。
PIP関節の運動は不能であるが、DIP関節の屈曲は可能である。
受傷時の単純エックス線写真(別冊No. 7)を示す。
正しいのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
指尖にボールが当たり、PIP関節が過伸展強制された症例です。
エックス線側面像では、中節骨基部が基節骨頭に対して背側へずれ、関節の掌側に小さな骨片がみられます。
これは掌側板の付着部が中節骨基部から剥がれた損傷を示します。
【選択肢別解説】
1:○ PIP関節の過伸展強制では、関節の掌側を支える掌側板が損傷されます。
写真で掌側にみられる小骨片は、掌側板が中節骨基部から裂離したものです。
2:× ボタン穴変形の危険性は、中央索(指伸筋腱の中央部)が損傷されたときに生じます。
中央索損傷はPIP関節の屈曲強制で起こり、過伸展強制では起こりにくいです。
3:× DIP関節の屈曲が可能なので、深指屈筋腱の断裂はありません。
深指屈筋腱は末節骨に停止し、DIP関節を屈曲させる腱です。
4:× PIP関節伸展位での固定は適しません。
伸展位では損傷した掌側板が引き伸ばされるため、PIP関節は軽度屈曲位で固定します。
【ポイント】
PIP関節の過伸展損傷は掌側板損傷で、放置するとスワンネック変形の原因になります。
屈曲強制による中央索損傷がボタン穴変形となる点と対比して覚えます。