A さん(39 歳、アルバイト)は、3年前からパートナーと同居しはじめたが入籍はしていない。
2年半前に流産し、その後、避妊をせずに性交を行っているが、妊娠しない状況が続いている。
A さんは、そのうち子どもができるだろうと考えていたが、40 歳の誕生日が近づき年齢を意識するようになってから、焦りのような不安な気持ちになった。
A さんは、市の不妊専門相談センターを訪問し、助産師に「流産した後、妊娠しません。
子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と話した。
A さんは妊娠中期に妊娠糖尿病と診断されたが、食事療法で血糖コントロールはできている。
妊娠 36 週の妊婦健康診査時、A さんが「実は、妊娠が分かったころに、彼(パートナー)は仕事を解雇されてしまい、ふさぎ込んで実家に帰ってしまいました。
今、私は1人で生活しています。
これから生活していけるのか心配です。
妊娠しなければよかった」と話す。
担当した助産師は、保健センターと連携した方が良いと判断し、A さんに保健センターに情報提供することについて同意を求めたが拒否された。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
Aさんはパートナーが去って1人で暮らし、経済的な不安を抱え、「妊娠しなければよかった」と話しています。
出産後の養育に支援が必要な特定妊婦と考えられますが、保健センターへの情報提供には同意が得られていません。
【選択肢別解説】
1:× パートナーはふさぎ込んで実家に帰っており、連絡も十分にとれない状況です。
話し合いを勧めても、現実的な支援にはなりません。
2:× 妊娠36週で出産が近く、孤立と経済的不安が強い状況です。
次回の健診まで経過を見ていては、支援の準備が間に合わないおそれがあります。
3:× 出産扶助は生活保護の扶助の一つで、生活保護を受けていることが前提です。
Aさんの生活状況全体を支える支援にはつながりません。
4:○ 児童福祉法では、医療機関や助産師などが特定妊婦などの支援が必要な人を把握したときは、市町村に情報を提供するよう努めることとされています。
この情報提供は守秘義務の違反にあたらないと定められているため、本人の同意が得られなくても地区担当保健師に情報提供します。
【ポイント】
特定妊婦は、若年、望まない妊娠、経済的困窮、支援者の不在などから、出産前から支援が必要と認められる妊婦です。
同意が得られない場合でも、母子の安全のために関係機関と連携することが大切です。