A さん(34 歳、男性、無職)は B 市内のアパートで 1 人暮らし。
アパートの管理人から B 市の保健師に「A さんは 3 か月前から家賃を滞納しています。最近は姿を見かけず、保証人である父親に電話をしてもつながりません。精神科に通院していると聞いていますが、A さんの様子が心配です」と相談があった。
保健師が管理人と一緒に訪問すると、A さんは自宅におり、話を聞くことができた。
母親は 5 年前、父親は半年前に他界した。
C 市で暮らす姉とは疎遠になっている。
父親からの仕送りが途切れ、生活費が底をつくのが心配で菓子パンを食べて家の中で過ごしていた。
現在の所持金は 1 万円程度である。
統合失調症のため B 市内の精神科に通院中で、自立支援医療(精神通院医療)を受給している。
残薬の量から指示どおり服薬しているようである。
保健師は A さんの同意を得て、主治医に病状や治療について確認した。
主治医からは、A さんの病状は現在落ち着いているため、通院と服薬を継続できるようにしてほしいと説明があった。
そこで、保健師は A さんが治療を継続しながら地域で生活を続けるための支援について検討することにした。
保健師が行う内容で優先度が高いのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
Aさんは統合失調症で通院と服薬を続けており、病状は落ち着いています。
一方で、両親を亡くして仕送りが途切れ、所持金は1万円程度で、菓子パンを食べて家にこもって過ごしています。
地域生活を続けるための支援を考えるには、まずAさん自身が何をどこまでできるかを把握する必要があります。
【選択肢別解説】
1:× 姉に協力の可否を確認することは、優先度の高い内容ではありません。
姉とは疎遠であり、連絡するにはAさんの意向の確認が必要です。
まずAさん本人の力を把握してから、必要な支援者を考えます。
2:× 関係者会議の出席者の調整は、まだ優先度が高くありません。
Aさんに必要な支援がわからない段階では、誰を集めて何を話し合うかが決まりません。
3:○ Aさんのセルフケア能力のアセスメントを行うことが優先されます。
食事の準備、金銭の管理、服薬や通院、各種の手続きなどをどこまで自分でできるかを把握すれば、必要な支援の内容が明らかになります。
本人のできることを生かした支援計画を立てることが、地域生活の継続につながります。
4:× 近隣住民にAさんの状態について理解してもらうことは、優先度の高い内容ではありません。
病状の情報は本人の同意なく伝えるべきではなく、まずは本人への支援の方向性を定めることが先です。
【ポイント】
精神障害のある人の地域生活支援では、本人のセルフケア能力と生活のしづらさを評価したうえで、必要な社会資源を組み合わせます。