Aさん(高校2年生、女子)は両親と3人暮らし。
母親が精神保健福祉相談のため保健所に来所した。
「Aは太っているわけではないのに、半年程前から写真写りを気にして食事を減らし始めました。今は1日1食野菜スープしか食べません。食べたもののカロリーを気にして毎日運動しており、一見元気そうなのですが、随分痩せてきました。授業を受けても頭に入ってこないと言い、この頃は学校を休みがちです。このままで大丈夫でしょうか」と話した。
1か月後、再び母親は精神保健福祉相談のため保健所に来所した。
「A は、私が頼むと少し食べてくれますが、やはり太るのが怖くて食べられないと言います。
先日、A が食後に隠れて下剤を使っていたため、思わず叱責してしまいました。
A は太っていると恥ずかしくて学校に行けないと言って欠席が増え、ほとんど自分の部屋で過ごしています。
また、カロリーを消費するためと言い、相変わらず動画を見ながら運動をしています。
時々、趣味のイラストを私に見せに来るのですが、そんなことよりも学校に行って元の生活に戻ってほしい」と母親は辛そうに話した。
母親の気持ちを受け止めた上で、保健師が行う母親への助言で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
Aさんは痩せ願望に加えて下剤の使用もあり、症状が進んでいます。
摂食障害の背景には自己評価の低さがあることが多く、家族が本人の食べ物や体重以外の面を認め、安心できる関係を保つことが回復の支えになります。
【選択肢別解説】
1:× 登校を説得し続けると、「太っていると恥ずかしい」と感じているAさんを追い詰めてしまいます。
親子関係が悪化し、症状が強まるおそれがあります。
2:× カロリーを消費するための運動は、病気の症状である過活動です。
応援すると症状を強めることになります。
3:× 下剤を隠しても、本人は別の方法で入手したり、隠れて使ったりすることが多いです。
監視や取り上げは親子の信頼関係を損ないます。
4:○ 趣味のイラストを見せに来ることは、Aさんが母親に関わりを求めている表れです。
肯定的に応じることで、Aさんの自己肯定感が高まり、母親との信頼関係も保たれます。
5:× 摂食障害は食事がとれるようになるだけでは回復せず、痩せ願望や自己評価の問題への治療が必要です。
食事のことを言い続けることは本人の負担になります。
【ポイント】
摂食障害の家族支援では、食事や体重の話題に偏らず、本人の健康な部分や関心を認める関わりを助言します。
家族自身の疲労や不安を受け止めることも保健師の大切な役割です。