Aさん(35歳、会社員、初産婦)は妊娠8週で母子健康手帳の交付を受けるために市役所を訪れた。
地区担当保健師が面接したところ、Aさんは5年前にうつ病で通院していたが、その後症状が軽快し、現在は通院していないことがわかった。
Aさんは「実家から引っ越してきたばかりで近所に知り合いがいないため不安です。夫は仕事が忙しく、家事や育児への協力は期待できません」と話した。
妊娠 10 週に A さんから地区担当保健師に電話があり、「産科の先生や助産師さんには次の健診で相談してみようと思いますが、残業があり、仕事中の休憩や休暇も取りにくく、つわりもあるので仕事が負担になってきました。
何か使える制度はないでしょうか」と相談があった。
現時点で A さんが会社に制度の利用を請求した場合、法律に基づき会社が対応する必要があるのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
働く妊婦の母性保護は、労働基準法と男女雇用機会均等法に定められています。
Aさんは妊娠10週で、まだ医師の指導は受けていないため、本人の請求だけで会社が対応しなければならない措置を考えます。
【選択肢別解説】
1:○ 労働基準法では、妊産婦が請求した場合、使用者は時間外労働、休日労働、深夜業をさせてはならないと定められています。
医師の指導がなくても、Aさんの請求によって会社は時間外勤務をなくす必要があります。
2:× 休憩時間の延長や回数の増加は、男女雇用機会均等法に基づき、医師などから指導を受けた場合に事業主が講じる措置です。
まだ医師に相談していない現時点では対象になりません。
3:× 妊婦健康診査の費用の助成は、母子保健法に基づき市町村が行うものです。
会社に義務付けられたものではありません。
4:× 男女雇用機会均等法では、妊娠23週までは4週に1回、健康診査などの時間を確保することとされています。
妊娠10週のAさんで2週に1回とするのは誤りです。
【ポイント】
妊婦健診の時間確保は「23週まで4週に1回、24〜35週は2週に1回、36週以降は1週に1回」です。
母性健康管理指導事項連絡カードを使うと、医師の指導内容を事業主に正確に伝えられます。