正答3
解説
正解は3です。
広帯域サウンドスペクトログラムで、破裂音の有声・無声と構音位置がどう表れるかを問う問題です。
有声・無声はボイスバーの有無に、構音位置は後続母音のフォルマント遷移に表れます。
【選択肢別解説】
1:× /ba/と/ga/の違いはボイスバーの有無ではありません。
どちらも有声音でボイスバーがあり、違いは構音位置を示す第2フォルマント遷移です。
2:× /pa/と/ka/の子音部にボイスバーは観測されません。
どちらも無声破裂音で、閉鎖中に声帯は振動しないからです。
3:○ /ga/と/ka/の後続母音の第2フォルマント遷移は同じです。
両方とも軟口蓋音で構音位置が同じだからです。
4:× /da/と/ga/は第1フォルマント遷移ではなく、第2・第3フォルマント遷移が異なります。
第1フォルマントは閉鎖から開くときにどちらも上昇します。
5:× /ba/と/pa/の違いは第2フォルマント遷移ではありません。
どちらも両唇音で遷移は同じであり、違いはボイスバーの有無や声の立ち上がりの時間です。
【ポイント】
構音位置の手がかりは第2フォルマント遷移、有声・無声の手がかりはボイスバーと有声開始時間(VOT)です。
両唇音では第2フォルマントが上昇し、軟口蓋音では第2と第3フォルマントが近づくのが特徴です。
【用語】
サウンドスペクトログラム:音の周波数成分の時間変化を、濃淡で表した図である。
広帯域分析:短い時間窓(広い分析帯域幅)を用いる分析で、時間変化が細かく表れ、フォルマントが読み取りやすい。
ボイスバー:有声破裂音の閉鎖区間に現れる、低い周波数の帯状の成分である。
フォルマント周波数遷移:子音から母音に移る際の、フォルマントの周波数の動きのことである。
有声開始時間:破裂音の閉鎖の開放から声帯振動が始まるまでの時間で、VOTと略される。