48歳の男性中等度感音難聴のために両耳に補聴器装用中事務所で仕事をしているが、背後にあるコピー機が稼働するとうるさくて窓口対応が困難になると訴える適切でない対応はどれか
正答1
解説
正解は1です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(不適切な対応)です。
男性の困りごとは、背後からの騒音で、前にいる相手の声が聞き取りにくいことです。
騒音を減らす、話し手の声を相対的に強める、聴覚以外の手段で補う、という対応が有効です。
【選択肢別解説】
1:○ ハウリングキャンセラーの設定は適切ではありません。
補聴器から漏れた音が再び入って起こる「ピーピー音」を抑える機能で、周囲の騒音は減らせないためです。
2:× 指向性マイクロホン機能の設定は適切です。
前方の音を優先して拾い、背後からのコピー機の音を抑えられます。
3:× リモートマイクロホンの併用は適切です。
話し手の声を直接補聴器に届け、騒音との差を大きくできます。
4:× 指差しで確認できるボードの用意は適切です。
聞き取りにくい場面でも、目で見て内容を確認できます。
5:× 背後に吸音のパーティションを設置するのは適切です。
騒音の発生源からの音を減らす環境調整になります。
【ポイント】
騒音下の聞き取りでは、話し手の声と騒音の比(SN比)を高めることが重要です。
補聴器の機能、補聴援助システム、環境調整、視覚的な手段を組み合わせて対応します。
【用語】
指向性マイクロホン:特定の方向の音を優先して拾い、ほかの方向の音を抑える補聴器の機能である。
リモートマイクロホン:話し手の近くに置いて声を拾い、無線で補聴器へ送る補聴援助機器である。
ハウリングキャンセラー:補聴器から漏れた音が再びマイクに入って生じるピーピー音を、信号処理で抑える機能である。
SN比:目的の音の強さと雑音の強さの比で、聞き取りやすさの目安になる。
感音難聴:内耳や聴神経、脳の障害により生じる難聴で、音が小さく聞こえるだけでなく歪んで聞こえる。