正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
声帯は粘膜上皮、粘膜固有層(浅層・中間層・深層)、声帯筋の層構造をもち、カバー・ボディ理論で説明されます。
【選択肢別解説】
1:○ 声帯の粘膜上皮は多列線毛上皮ではなく、重層扁平上皮です。
強い振動や摩擦に耐える構造で、声帯以外の喉頭や気管が多列線毛上皮です。
2:× 粘膜固有層の浅層は、まばらな弾性線維と間質液からなり、正しい記述です。
ラインケ腔とも呼ばれ、柔らかく振動しやすい層です。
3:× 粘膜固有層の深層は主に膠原線維からなり、正しい記述です。
中間層の弾性線維とともに声帯靱帯をつくります。
4:× カバーは粘膜上皮と粘膜固有層の浅層に相当し、正しい記述です。
柔らかいカバーが波打つように振動し、粘膜波動が生じます。
5:× ボディは声帯筋に相当し、正しい記述です。
声帯筋の収縮によって声帯の硬さ(剛性)が調節されます。
【ポイント】
カバー・ボディ理論では、上皮と浅層がカバー、中間層と深層が移行部、声帯筋がボディです。
ラインケ腔に浮腫が生じた状態がポリープ様声帯です。
【用語】
カバー・ボディ理論:声帯を、振動するカバーと硬さを調節するボディに分けて考える理論である。
多列線毛上皮:線毛をもつ細胞が多層にみえる上皮で、気道の粘液を運ぶ役割をもつ。
重層扁平上皮:扁平な細胞が何層にも重なった上皮で、摩擦などの機械的な刺激に強い。
粘膜固有層:声帯粘膜の上皮の下にある層で、浅層・中間層・深層に分けられる。
声帯筋:声帯の内部にある筋で、声帯の硬さや緊張を調節する。
ラインケ腔:声帯の粘膜固有層浅層にあたるやわらかい層で、振動のしやすさに関わる。