正答5
解説
正解は5です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
ピッチ(音の高さの感覚)の生成を説明する理論には、場所説と時間説があります。
場所説は蝸牛の基底板のどこがよく振動するかで、時間説は聴神経の発火の時間間隔でピッチが決まるとする考え方です。
【選択肢別解説】
1:× 記述は正しいです。
周期的な複合音のピッチは、基本周波数の音が含まれていなくても基本周波数で知覚されます(ミッシングファンダメンタル)。
2:× 記述は正しいです。
周波数によって基底板の最も大きく振動する位置が異なり、その位置がピッチを決めるとするのが場所説です。
3:× 記述は正しいです。
聴神経は音の波形の特定の位相に同期して発火し(位相固定)、その時間間隔がピッチを決めるとするのが時間説です。
4:× 記述は正しいです。
聴神経の位相固定は数kHzまで生じるため、3kHz以下の音のピッチは時間説で説明できます。
5:○ 記述が誤りです。
明確な周期性をもたないバンドパスノイズでは、発火の時間間隔が一定にならないため、時間説では説明できません。
そのピッチは、基底板上の興奮する場所で決まる場所説で説明されます。
【ポイント】
低い周波数は時間説、高い周波数は場所説が主に説明すると整理します。
人工内耳では電極の位置が場所情報を、刺激のタイミングが時間情報を担います。
【用語】
ピッチ:音の高さについての感覚を指し、音の周波数と深く関係する。
場所説:蝸牛の基底板上で最もよく振動する位置によって、ピッチが決まるとする考え方である。
時間説:聴神経が発火する時間間隔によって、ピッチが決まるとする考え方である。
位相固定:聴神経が音の波形の特定の位相に合わせて発火する性質を指す。
ミッシングファンダメンタル:基本周波数の成分が含まれていなくても、基本周波数の高さが聞こえる現象である。
バンドパスノイズ:特定の周波数帯の成分だけを通過させた雑音で、明確な周期性をもたない。