正答1
解説
正解は1です。
図は両耳のオージオグラムです。
右耳(○)の気導閾値は125Hzで30dB、250Hzで35dB、500Hzで50dBで、1000Hzでは110dBまで急に低下し、2000Hzと4000Hzはスケールアウトです。
左耳(×)は125Hzと250Hzで30dB、500Hzで約45dB、1000Hzで85dBで、2000Hz以上はスケールアウトです。
骨導閾値は250Hzと500Hzで気導閾値とほぼ同じで、気導骨導差はありません。
つまり、低音部の聴力が残り、高音部が重度に障害された両側の高音急墜型の感音難聴です。
【選択肢別解説】
1:○ 適切です。
EAS(残存聴力活用型人工内耳)は、低音部の聴力が保たれ、高音部が高度から重度に障害された感音難聴が適応です。
低音は補聴器で、高音は人工内耳の電気刺激で聞く方式で、この聴力型に合致します。
2:× 2級には該当しません。
2級は両耳とも平均聴力レベルが100dB以上の場合です。
500Hz、1000Hz、2000Hzの4分法(スケールアウトは105dBとする)で計算すると、右耳は90dB以上、左耳は約80dBで、両耳80dB以上の4級に当たります。
3:× 子音の聞き取りは障害されます。
子音の多くは2000Hz以上の高い周波数の成分を持ち、この帯域の聴力がほぼ失われているからです。
4:× ドアの閉まる音は聞き取れると考えられます。
ドアの閉鎖音は低い周波数を含む大きな音で、低音部の聴力が30〜50dB程度残っているからです。
5:× 耳小骨固着は推定されません。
耳小骨固着は伝音難聴を起こし気導骨導差が生じますが、この図では骨導と気導がほぼ一致しているからです。
【ポイント】
EASは、低音部が残る高音急墜型の難聴に対して、残存聴力を保ちながら高音部を補う方法です。
身体障害者の聴覚障害の等級は、6級が両耳70dB以上、4級が両耳80dB以上、3級が両耳90dB以上、2級が両耳100dB以上です。
【用語】
オージオグラム:横軸に周波数、縦軸に聴力レベルをとり、各周波数の聴力閾値を記入した図である。
EAS:残存聴力活用型人工内耳の略で、低音は補聴器、高音は人工内耳で聞く方式である。
気導骨導差:気導と骨導で測った聴力閾値の差で、伝音難聴の程度の目安となる。
耳小骨固着:中耳の耳小骨が固まって動きにくくなり、伝音難聴を起こす状態である。
身体障害者程度等級:身体障害の重さを等級で示した区分で、聴覚障害には2級、3級、4級、6級がある。