正答3
解説
正解は3です。
裏声(ファルセット)発声の生理を地声と比較して問う問題です。
裏声では輪状甲状筋が働いて声帯が引き伸ばされ、薄く張った状態で振動します。
【選択肢別解説】
1:× 声帯縁の接触時間は長くなく、ごく短くなります。
声帯が薄く張っているため、閉じきらずに振動することもあります。
2:× 高調波成分は少なくなります。
声門体積流が正弦波に近い波形になるため、倍音の少ない柔らかい声になります。
3:○ 声門開放率は大きくなります。
閉鎖期が短く開放期が長くなるため、1周期に占める開放の割合が地声より大きくなります。
4:× 甲状披裂筋は弛緩し、主に輪状甲状筋が収縮します。
甲状披裂筋が強く収縮するのは地声(胸声)です。
5:× 粘膜波動は小さくなります。
声帯が引き伸ばされて薄くなるため、振動は声帯縁に限局します。
【ポイント】
地声は「甲状披裂筋優位・閉鎖期長い・倍音豊富」、裏声は「輪状甲状筋優位・開放率大・倍音少ない・粘膜波動小」と対比して覚えましょう。
【用語】
裏声:声帯を薄く引き伸ばして高い声を出す発声で、声帯の振動が小さい。
声門開放率:声帯が1回振動する間に声門が開いている時間の割合を示す指標である。
粘膜波動:声帯振動のとき、声帯の粘膜が波のように動く現象を指す。
甲状披裂筋:声帯の本体をなす筋で、収縮すると声帯を厚く短くする内喉頭筋である。
高調波成分:基本周波数の整数倍の周波数をもつ成分で、声の音色に関わる。