正答1
解説
正解は1です。
耳の発生と、聴覚の受容・伝導のしくみを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 正しい記述です。
内耳は外胚葉の耳胞(耳プラコード)から発生します。
中耳は第1咽頭嚢や第1・第2鰓弓から発生し、由来が異なります。
そのため、内耳奇形と中耳奇形は別々に生じることが多いです。
2:× 誤った記述です。
有毛細胞の不動毛が傾くと開くのは機械受容チャネルです。
主に内リンパ中のカリウムイオン(K+)が流入して脱分極が起こります。
3:× 誤った記述です。
強大音による難聴(音響外傷・騒音性難聴)は、主に有毛細胞やその不動毛の障害によって起こります。
基底板のゆがみが原因ではありません。
4:× 誤った記述です。
耳小骨筋反射(アブミ骨筋反射)の反射弓は、蝸牛神経核・上オリーブ核・顔面神経核など脳幹を通ります。
そのため、脳幹障害の影響を受けます。
5:× 誤った記述です。
聴覚の上行路は、蝸牛神経核・上オリーブ核・外側毛帯・下丘・内側膝状体・聴覚野の順に進みます。
外側毛帯は下丘より手前にあるので、順序が逆です。
【ポイント】
内リンパはカリウムイオンが多く、有毛細胞の脱分極はK+の流入で起こる点は頻出です。
内有毛細胞は求心性の情報伝達、外有毛細胞は増幅機能と役割を分けて覚えましょう。
【用語】
耳小骨筋反射:大きな音が入ると耳小骨の筋が収縮して伝音を弱め、内耳を守る反射である。
有毛細胞:蝸牛の感覚細胞で、毛の傾きを電気信号に変えて聴神経へ伝える。
基底板:蝸牛の中で音の周波数ごとに振動する場所が異なる膜で、周波数分析に重要な構造である。
外有毛細胞:蝸牛にある有毛細胞の一種で、収縮して基底板の振動を増幅する働きをもつ。
下丘:中脳の背側にある聴覚伝導路の中継核で、音の情報を視床へ送る。