正解を2つ選んでください。
正答2・5
解説
正解は2と5です。
エピソード記憶とは「いつ・どこで・何をしたか」という個人の体験の記憶です。
その形成には、海馬を含むパペッツ(Papez)回路が重要な役割を果たします。
【選択肢別解説】
1:× 小脳は運動の調節や運動学習に関わります。
体で覚える手続き記憶には関与しますが、エピソード記憶の中枢ではありません。
2:○ 海馬は新しいエピソード記憶の形成に不可欠な部位です。
両側の海馬が損傷されると、強い前向性健忘が生じます。
3:× 被殻は大脳基底核の一部で、運動の制御や習慣・手続き記憶に関わります。
エピソード記憶の中心的な部位ではありません。
4:× 赤核は中脳にある運動系の神経核で、筋緊張や運動の協調に関わります。
記憶には関与しません。
5:○ 乳頭体はパペッツ回路の中継点で、海馬から脳弓を経て情報を受けます。
損傷するとコルサコフ症候群などの健忘が起こります。
【ポイント】
パペッツ回路は、海馬・脳弓・乳頭体・視床前核・帯状回・海馬傍回をめぐる回路です。
ビタミンB1欠乏によるコルサコフ症候群では乳頭体の病変が知られています。
【用語】
エピソード記憶:いつ、どこで、何をしたかという個人の体験にまつわる記憶を指す。
海馬:側頭葉の内側にある構造で、新しい記憶の形成に深くかかわる。
乳頭体:視床下部にある小さな隆起で、記憶の回路の中継点となる構造である。
赤核:中脳にある神経核で、運動の協調や筋緊張の調節にかかわる。
パペッツ回路:海馬から脳弓、乳頭体、視床前核、帯状回を経て海馬に戻る、記憶にかかわる神経回路である。