正答3
解説
正解は3です。
純粋語聾は、聴力は保たれているのに、言語音(ことば)だけが認知できなくなる状態です。
環境音や音楽の認知は保たれ、文字を介した言語機能も保たれます。
【選択肢別解説】
1:× 純粋語聾は両側の側頭葉病変で起こることが多いですが、左側頭葉の皮質下の一側性病変でも生じます。
一側性病変では生じないとはいえません。
2:× 純粋語聾では、環境音の認知は保たれ、動物の鳴き声も区別できます。
環境音まで認知できないのは聴覚失認です。
3:○ 純粋語聾では、聞いた語音を認知できないため、聞いた言葉を文字で書く書き取りの成績が低下します。
復唱も同様に障害されます。
4:× 純粋語聾の病変は聴覚路の皮質や皮質下にあり、脳幹は保たれているため、ABR(聴性脳幹反応)は正常です。
5:× 純粋語聾では、純音聴力検査の閾値は正常か、上昇しても軽度にとどまります。
大幅な閾値上昇はみられません。
【ポイント】
純粋語聾は「聞こえるのに、ことばとして聞き取れない」状態です。
読解や自発書字、自発話は保たれ、聴覚を経由する理解・復唱・書き取りだけが障害される点で失語症と区別されます。
【用語】
純粋語聾:聴力は保たれているのに言葉の聴覚的な理解だけが障害される症状である。
聴性脳幹反応:音刺激に対する脳幹の電気的な反応を記録する検査で、ABRと略される。
純音聴力検査:各周波数の純音を聞かせて、聞こえる最小の音の大きさを調べる検査である。
書き取り:聞いた言葉を文字で書く課題で、語音の聴覚的な認知と書字の両方を必要とする。
聴覚失認:聴力は保たれているのに、聞こえた音が何の音であるかを認知できない症状である。