正答4
解説
正解は4です。
異音とは、同じ音素が環境によって異なる音声として現れるものです。
日本語の/b/は語頭では有声両唇破裂音[b]ですが、語中の母音間では閉鎖が弱まり、摩擦音として現れることがあります。
【選択肢別解説】
1:× [p]は無声両唇破裂音で、音素/p/(パ行)にあたります。
有声の/b/の異音ではありません。
2:× [ʙ]は両唇ふるえ音で、日本語の/b/の異音としては現れません。
3:× [ɸ]は無声両唇摩擦音で、「フ」の子音にあたります。
無声音なので有声の/b/の異音ではありません。
4:○ [β]は有声両唇摩擦音です。
「あぶない」のように母音にはさまれた位置では、唇の閉鎖が不完全になり、/b/が[β]として発音されることがあります。
5:× [f]は無声唇歯摩擦音で、下唇と上の前歯で作る音です。
日本語の/b/の異音としては現れません。
【ポイント】
語中で破裂音の閉鎖がゆるんで摩擦音になる現象は、/b/が[β]になるほか、/g/が[ɣ]や鼻音の[ŋ]になる例が知られています。
有声か無声か、調音位置と調音方法の3点で記号を区別しましょう。
【用語】
異音:同じ音素が環境によって現れる、音声としての異なる実現形である。
音素:意味を区別するはたらきをもつ、言語音の最小の単位を指す。
両唇:上唇と下唇を合わせたり近づけたりして作る調音位置を指す。
摩擦音:狭めた隙間に息を通して生じる雑音を利用して作る子音である。